過去の自分を押し殺し、狂ったように笑って、空を見上げたあの日。
俺の心はからっぽからのスタートだった。
静かで、何事にも興味がなかった俺が急に明るくなって和希と花純はびっくりしたっけ。
でも、花純は「面白いじゃん!」って、この俺の性格を気に入ってくれた。
和希もそれに笑って、何も触れては来なかった。
杏ちゃんとは二人と慣れ親しんだあとに、仲良くなったからもちろん前の俺は知らない。
でも、今の性格気に入ってんだけどなー。
「梭冴くんは映画派?」
『もち!』
「やっぱりそのすれ違いかぁ」
心配そうに二人をみつめる杏ちゃん。
そう…
絶対にすれ違いは起こるんだよ。
そうなっても、その手を離したくないって思えたのは麗香ちゃんだった。
必ず、俺のものにしたい。
なーんてね?