元カノと初めてデートに行ったのは遊園地。


「あれが乗りたい!」


「次はアレ!」


「ねぇ、梭冴はどっちがいい?」


って、ハイテンション差に疲れて二度と行きたくないと思った。


毎日がつまらなかった俺の日常を、唯一あいつは笑わせてくれた。


だけど、長くは続かなかった。


あいつが頑張ってる姿に、いつの間にか嫌気がさし、作り笑いにもうんざりになってしまった。


でも、あの一言で変わった。


「自分の世界に閉じこもらないでよ。
一度明るく笑ってみなよ?
そしたら自分の違う一面が見つかるから」


いつの日にか言われた言葉。


その言葉を思い返したのは、あいつと別れてから。


自分を変えるきっかけをくれたあいつを、俺は簡単に手放してしまった。