-麗香 side-


高校に入学して落ち着いた頃、ある一人の先輩が絡んできた。


『麗香ちゃん!』っていつも笑顔でこっちに来る。


それが嫌な反面、ちょっと嬉しかったり…


うちが学校で唯一話せる一人の人やから。


クラスでも話せる人なんかおらんし。


でも、深く入ったらあかん。


抜けれんくなるから。


それに…




『ごちそうさまでした!』



あかん。


また調子狂う。


なんでうちの前に来て顔見てくるん?


覗きこまんといてーや…


その笑顔からまた目を逸らす。




「何?」


『いや、今日も笑ってくんないなーって』




うちは笑わへん。


何回この先、青木先輩が笑顔見せても…




『明日、また頑張ろ』




そう言って立ち上がり、手を組んで伸ばして伸びをした先輩。


なんで…懲りひんの?


ほんま良く分からん。




-麗香 side end-