あの日から、穏やかな日常が続き、桜が咲く季節がきた。


4月になり、暖かくなりもうすっかり春が来た。


地面には早くも桜の花びらが風に吹かれてピンク色の桜の絨毯みたいだ。


高校の最寄り駅の側にある時計塔の下、待ち合わせ時刻の15分前に着いて麗香を待つ。


今日から俺は3年生、つまり受験生になる…

麗香は2年生、つまり少し余裕が生まれる楽しい学年。


“受験”この言葉を耳にするだけで、お腹が痛くなりそうだ…



「梭冴!おはよう!」



ふと顔を上げると、麗香ちゃんが…って



『え?どうしたの?』


「…やっぱり、変?」



照れくさそうに髪を触る麗香…


長かった髪が、ショートヘアにカットされていた。


前髪が眉に沿って切りそろえられていて、切り立てほやほや感が可愛い。