恐る恐る、スマホをタップして耳に当てる。



《『もしもし…』》


《「梭冴…」》



恥ずかしいのか、麗香の声もいつもより小さくて…


電話だから当然、耳元で声が聴こえるわけで…



《『どうした?』》


《「べっつにー?」》


《『なら切るよ?』》



なーんて、ちょっと意地悪したくなる。


切りたくなんて1ミリも思ってないくせに。



《「な!えっと、あ…明日!
一緒にお昼食べようや…」》


《『ふっ…俺はそのつもりだったけど?』》


《「ななっ…手作りお弁当なんかないからな!期待しんといてや!!」》



その言ったあと、麗香ちゃんの勢いによって切られた電話…


通話時間、たったの1分…


なんて短さだよ。



『はは、あいつらしい…』



でも、麗香の事だから本当に手作りお弁当なんてなさそうにも思えてしまう…


前に一度だけあったっけ。

お弁当作ってくれたこと…

ものすごく懐かしく思う…


でも明日は平然と菓子パンを二人で食べる姿が目に浮かぶ。



とりあえず、明日が楽しみだ。