「それより梭冴!
指輪、ちゃんと麗香ちゃんに渡せたの?」



心配する花純にピースサインを向けると、ホッと胸をなで下ろしたみたいだった。


そう、指輪は花純にちょっとアドバイスをもらって買ったからだ。


「女の子はね、いや、高校生のうちとかはシンプルなのが一番良いよ!」とか、「この値段とかなら、梭冴のバイト代でなんとかなるんじゃない?」と、たくさんアドバイスを貰った。


学祭後から、和希のバイト先の紹介でラーメン屋のバイトを始めていた。


人が足りないから、助っ人として行ったのが、店長にバイトに来ないか?っと言ってもらえたからだ。



『俺がバイト助っ人頼んで良かったな』


『まぁ、店長さんのおかげでね?』


「で、花純ちゃんは和希くんから何かプレゼントされたの?」



目をキラキラさせながら杏ちゃんは花純と和希を見た。



「それはー、これ!」



花純は制服のネクタイを緩めて第一ボタンを外し、見せたのはネックレスだった。