声がする方向に目を向けると、紺色のダッフルコートに身を包んで走る麗香ちゃんが見えた。


大きく手を振り返すと、麗香ちゃんは恥ずかしそうに小さく手を振ってくれた。


ちゃんと右左確認して横断歩道を渡ってきた麗香ちゃんは、ぎゅっと俺を抱きしめてくれた。



『わ!?』


「会いたかった。」


『2日ぶりなのに?』


「昨日会えてないからな…」



そう言う麗香ちゃんの頭を優しく撫でてから、ぎゅっと抱きしめ返した。




『俺も、会いたかったよ』


「てか、なんでこんな早い時間に来てんの?」


『それはお互いにでしょ!?』


「ふっ。ははは、せやな!」




抱きしめる手を解いて、お互いに笑い出す。


時計は待ち合わせの2時の50分も前を針は指している。


まさか麗香ちゃんがこんなに早く来るのはビックリしたけど、それより早く着ておいて助かった…


寒い中待たすハメにならなくて…