すると、光也はちょっとずつ話してくれた。
相手の彼女さんばかりが、光也を好いていて、光也はなかなか好きになれんかったこと。
学校では彼女さんがぐいぐいくるから、それに合わせるのがしんどかったこと。
それに気付いた彼女さんは、光也に別れを告げた事…。
この世の中、幸せばかりやない。
いつ、別れがくるか分からん。
お互いの思いやり、お互いの距離、お互いの価値観…
付き合う以上、難しいことがいっぱいある。
「…光也、しんどかったんやな。
お疲れ様」
『…やばい。
お前からそう言われたら…泣いちゃう』
「は!?」
隣で、目をうるうるさせている光也。
ちょっと!?
こんなところで泣かれたら困る!
とりあえず、すぐさま光也の腕を引っ張って、寒い寒い校舎裏に。