突然、麗香ちゃんが抱きしめてきたと思ったら、数分後にはツンツンの性格に戻ってしまった。


甘えてくれた!って、思って舞い上がっては、その気持ちはすぐに静まった。


ただ、今は隣で手を繋いで歩く、それだけで嬉しい。


…好き。



『好き』


「…っは?
ちょ、いきなり何なん!?」


『さっきいきなり抱きついてきたのは麗香ちゃんじゃん』


「まぁ、そやけどさぁ」


『その仕返し!』



そう舌をチラって見せて笑って見せた。



「もう!」



そう怒ったふりして、照れくさそうに笑い返してくれた。


こんなに可愛い彼女から離れる事なんて、この先あるのかな?


何があっても、離れたくないし、離れてほしくない。




そう思って、ゆっくり空を見上げた。