ー麗香 sideー
帰り道、ぎゅっと繋がれた右手が温かい。
寒空の中、マフラーなしの梭冴くんは、首元が寒そう…
でも、一言も『寒い』なんか口にしいひん。
「…なぁ、首元、寒ないの?」
『ん?
あぁ、ちょっと寒いけどこれぐらい我慢出来るからさ』
そう小さく笑う梭冴くん。
『もしかして麗香ちゃん、心配してくれたの?』
嬉しそうに笑って言う。
あ〜…もう!!
「そんなんちゃうわ…アホ」
『え〜』
いつも私の感情を刺激するなー!!
梭冴くんが近くにいたら、うちめっちゃツンツンしてしまう。
ほんまに、久しぶりくんはうちなんかと居て楽しいんか?
…でもそんなん、恐くてよう聞けへん。