3限終了のチャイムが鳴ると、なんとかギリギリで板書を写せた。


荒っぽくて、汚い字…


まぁ、いいや。




『お前、あの子見すぎ』




俺の肩に手をまわして、ブリックを飲む和希。


えっ…


和希に見られてた!?




『ははっ、可愛い過ぎてさ♪』


『まぁ、いいけど。
授業に遅れ取るなよ?』


『分かってるって』




和希は良く人を見てる…


そして柄に似合わず心配する。


特に彼女である花純には余計…


花純に向ける格別な優しさを見て、和希の事が好きで諦めきれない女の子も多々いる。


でも、俺は麗香ちゃんただ一人が俺に振り向いてくれればいい。