校舎裏を抜けると、もう人がたくさんだ。


ごちゃごちゃしてる…


隣で呆れた顔をした俺と違って、麗香ちゃんはすっごい笑顔で屋台を見ていた。


目がキラキラして見える。




『何が食べたい?』


「まずは〜…たこ焼きやな!」


『たこ…』


「なになに!?
大丈夫やって、たこ食べたるから!
一緒に食べよーや」




そう言ってまた手を引いて歩き出した。


なんだか今日は妙に明るい。


久しぶりに話す麗香ちゃんは、前より笑うことが増えていた。




「たこ焼き1つ下さい!」


「はーい、210円ね♪」




俺は財布からお金を出して払うと、アツアツのたこ焼きが麗香ちゃんに渡された。




「まいどありー!」




その声を背にして今度はベンチに腰を下ろした麗香ちゃん。