すると、1人しゃがんで猫と遊んでいる麗香ちゃんが見えた。




『麗香ちゃん!』


「ん?
あぁ、梭冴くんか。」




それだけ振り向いて言うと、また猫を撫でて微笑んでいた。


…え!?


それだけ!?


俺ってまさかのこの猫以下の存在なの!?


俺は麗香ちゃんに優しく撫でられている白い野良猫をキッと睨む。




「で、何しに来たん?」


『あ、いや、一緒に回ろうって思ってさ』


「人混み苦手なくせに」


『うぅ…』




グサッとくる一言。


だけど…せっかくの文化祭なんだし


一緒に回りたいんだけど。


麗香ちゃんにその気は…




「まっ、いいや。
ほな回ろか。
シロごめんなー!また撫でたるしおいでや♪」




麗香ちゃんは野良猫に別れを告げると、俺の前に立って顔を見上げてきた。




「奢ってくれるん?」


『は?』




まっすぐみつめた意味はそれかよ!