無事に、締切日前日にポスターは完成した。
一生懸命書いた杏ちゃんのポスター
それを少しなぞっただけの俺。
暑い教室に放課後残り、汗を垂らしながらできたポスター
「やっと終わったね!」
『うん。
ごめんね、あまり役に立てなくて』
そう言うと杏ちゃんは困った顔をした。
首を傾げて、困った顔をしたと思えば今度はすぐに笑った。
「十分、役にたったよ!
ありがとう!」
まるで向日葵みたいにパァっと明るく笑う杏ちゃん。
どうしてこんなに素直に生きられるのだろう。
自分の気持ちをしっかり伝えられる。
俺もそんな生き方にしたい…
麗香ちゃんが、俺に振り向いてくれるような。
そんな男になるよ。
だから、もう少しチャンスをちょうだい?