まだスプーンを使ってなくて良かった…


…って、これ一つしかないんだけど!?


俺の返事を待たず、麗香ちゃんは俺からスプーンを奪い、最初の一口を食べてしまった…




『麗香ちゃん!?』


「やっぱりバニラは美味しいな!」




でも、その笑顔を見たら許せてしまう。


目を細めて笑う姿を見て、こっちまで微笑んでしまう。


麗香ちゃんからスプーンを受け取ると、何も躊躇わず1口食べてみた…




『上手い』


「やっぱ夏はアイスやな♪」




隣で笑って空を見上げた麗香ちゃん。


それは青い空ではなく、オレンジかかっていた。