『嘘でしょ……。』

結衣はその奇妙な光景に立ちつくす。

さっき閉めたはずなのに。

鍵もちゃんと。

結衣は電気をつけて明るくしようと部屋の電気をつけようとするが、それもつかない。

『なんなの?停電……??』

結衣はとりあえず部屋を見渡す。

するとひとつの引き出しが開かれいているのに気づき思い出す。

『そーだった……。この引き出しに懐中電灯があったはず!』

結衣は開かれている引き出しから懐中電灯を引っ張り出すと、今度はちゃんと引き出しを閉めた。

懐中電灯で周りを照らす。

とりあえず明かりがあるだけで少しは安心した。

結衣はいつの間にか開いてた窓をちゃんと閉める。

と、その時。

照らしている懐中電灯の明かりに見慣れない人影があるのに気づき、結衣は声を失う。

私の影じゃない。

ではこれは誰の影だろう。

恐怖で固まる結衣にさらに恐怖が襲う。

カタカタ……。

その音はさっき懐中電灯がしまってあった引き出しからだ。

カタカタ……。

中に何かいる。

結衣はとても怖かったが、もしかしたらネズミとかゴキブリかもしれないとポジティブに考えた。

いや。
ネズミやゴキブリのほうが問題かもしれない。

結衣は覚悟を決め引き出しに手をかけ勢いよく開けた。

すると……。