『信じていれば……か。』

結衣は呟くとため息をついた。

自分にはもう信じる心さえも忘れてしまった。

なにを信じればいいのか。

結衣にはわからない。

でも時々思う。

確かに、たまにはこんな絵本の中の主人公みたいに夢をるのも悪くわない。

そう思いながら、ベッドから身を起こし窓を開け夜空を見上げた。

そして夜空を見ていると、1番輝いている星をみつけた。

『あ。ネバーランド。』

結衣はふと口にだす。

ネバーランドとは。
最近結衣の学校ではやっている噂だ。

ピーターパンという青年に、永遠に子供でいられるネバーランドに連れていかれる。

結衣は信じているわけではなかったが
もしあるならば素敵だと思う。

永遠に夢を見られる。
永遠に信じていられる。

結衣の金色の瞳がネバーランドをうつす。

それと同時に少し、ネバーランドの輝きが強くなった気がした。