「…大好き」 ポロっと口から出たその言葉。 「え?」 「あ、いや…!なんでもないっ!」 衝動的だったとはいえ、突然そんなことを言われたら佐伯くんも驚くだろう。 真っ赤であろう顔を手で隠しながら、慌てて別の言葉を探そうと脳を働かせた。 けど、それよりも速く行動に出たのは佐伯くんの方になってしまったみたいで。 「……ッ!」 気付いた時には、私はもう彼の腕の中に閉じ込められていた。