「…大丈夫じゃない?彼、もう解決したっぽいし」 「え?そうなの?」 「だから行こ、ミユ」 半ば無理矢理彼女の手を引く。 後ろで克哉や川端、そして幹人という男の声も聞こえたが、全て無視して彼女と学内を出た。 「さ、佐伯くんっ!」 「え?あー…、ごめん」 やっとミユの手を離したのは、大学からしばらく歩いた後。 黙って歩いてきたせいで、ミユの肩が息で上下していた。