途端に顔をしかめる佐伯くん。 かと思えば、キュッと手を掴まれた。 彼の体温が伝わってドキドキする。 「深雪」 はっきりと名前を呼ばれて、目を逸らせなかった。 「みたいじゃないよ」 「え?」 ポツリと告げる佐伯くん。 「俺、深雪が好き」 余りにもストレートに告げられたその言葉は、私の胸の音を速めるのには十分だった。