「歌乃!」

「!キサ?」


亜秘の質問が嫌で教室を出てきたあたしの後ろから声をかけてきたのは如月誠。

まぁ、こんなことは年中あるんだけど、今日は少し様子がおかしい。


……怒ってるんじゃないでしょうね?


「なに?」

「時間ある?」


そうしてキサに連れられて来たのは屋上。


「……こんなとこで……何のはなし?」

「いきなりで悪い。けど…俺の気持ちはもうずっと前からのものだから」


意味が分からなかった。


ずっと前からの気持ち……?

その時頭によぎったあの女の顔……嫌だ。

キサまで離れたら、あたし……本当に壊れる。

怖い、怖い、怖……。


「紗夜衣との一件以来、ずっと…歌乃を守ろうって決めた」

「守るって……」