ついに、現われたんだ。

順番を間違えていたら絶対に殴りかかっていただろう。

でも、ちゃんと三段階を踏んだから、それほど驚きはしなかった。


「……よかった。ちゃんと話せるみたいだね。あらかじめ二人にお願いしておいてよかった」

「……紗夜衣がなんであんなことをしたのかはよくわかったよ。でも、まだ紗夜衣の気持ちを聞いてない。あの時、何を思っていたのか……」


心の中の変化は、紗夜衣本人にしかわからないことだから。


「うん、歌乃に話したくて……謝りたくて来たから。ねぇ、場所を変えて話さない?」

「……うん」


あたし達は、そのまま近くの喫茶店へ入った。

飲み物を頼んで、本題に入った。


「……ごめんなさい」

「え……」

「まずは、ヒドイことしたのを謝りたかったの。誤って許されるようなことじゃないけど……」

「あたしは、紗夜衣の思いを知りたい。一番知りたいの」