その日はいきなり訪れた。
秋の夕日に照らされて、黄色やオレンジに染まった木々が揺れる。
ちょうど、あの日と同じような、眩しい夕日につつまれる。
ちょうど一人でいたその時に、ついにその人は現れた。
「綺麗だねぇ」
あたしは目を見開いた。
その声を聞いた瞬間、あたしは後ろを振り向いた。
前よりほんの少し低くなった声。
大人っぽくなった声
でも、それは確実に彼女のもので……。
「やぁ、歌乃。久しぶりだね」
ずっとずっと、憎んでいた。
ずっとずっと、会いたかった。
ずっとずっと、話をしたかった……。
「……紗夜衣……」