「中学、同じだった。私立にしたの。全てを言うと、長くなる。でも、小夜にも一応話しておこうかと思って」
「……何を?」
「確かに、最初に歌乃に近づいたのは歌乃を傷つけるためだった。でもね、最後に傷つけてしまったのは……寂しかったからなの。大切な友達と、どうに別れたらいいのかがわからなくて……結果的に傷つけることになっちゃった」
「なんで……傷つけなくてもよかったはずなのに……」
そうすれば、今でも笑顔を見れていたのに……。
「うん、あの時のあたしはね、別れるのが怖かった。だから……嫌われようとしちゃったの。今では間違ってるってちゃんとわかってる」
嫌われようとした……って……。
そんな……。
「幼稚園の時、仲間外れにされちゃったの」
突然始まった紗夜衣ちゃんの過去。
それはもうずっと前のこと。
「傷付けられたから、誰かに傷つけたいって思った。この思いをぶつけたい、その気持ちを実行した相手が菜由」