動き出した歯車は、もう止められない。
夏休みが明けて三週間、体育祭が始まりました。
特に興味のない歌乃は、自分が出る種目になるまで寝てるみたいだから、あたし・小夜が起こしに行かなきゃなの。
誠は放送委員に駆り出されてる。
午後一時、スピーカーから聞きなれた声を聞きながら、歌乃のいる場所へと向かった。
そこは保健室。
今保健の先生は外にいるから、歌乃はベッドで寝てる。
普段なら屋上だけどね。
「歌乃、起きて。何でも借り物競争の時間だよ」
「……え?何借り?」
何借りは、全学級の中で選ばれたクラスだけが出場する伝統行事(?)
今年は二組で、一年から三年までの二組の人たち全員が参加するのです。