「ごめんね、忙しかった?」
「平気」
あれからもう三年経った。
三年間もあたしは、ずっとこのままだったから……。
「……歌乃ちゃん、ちょっと変わった?」
「え……」
自分があの日から変化していたこと。
もうあたりまえな日常になっていて、忘れていた。
坂田さんは小学二年までしか一緒にいなかったから、こんなになったあたしを見たのは初めてなんだ。
「……まぁいいや。今日はちょっと話したかっただけなの。誰についてとか……そりゃわかるよね」
「……紗夜衣?」
「紗夜衣とあたしのこと、それと引っ越す前の……歌乃ちゃんがあたしと紗夜衣を見たあの日のこと……」