「いきなりでごめんね、今日はいろいろ混乱させちゃったみたいで」

「あ、うん、大丈夫」


本当はすごく混乱してるし、分からないことだらけ。

あたしの知らない所で、まだ何かが起きてたみたい。

裏切られただけで終わりってわけじゃないみたい。


「菜由、たぶん近いうちに会いに行くと思う。ちゃんと話がしたいって言ってたから」

「坂田さんが話すこと……?」


思い出話ってわけはない。

それどころか、そこまで親しい間柄じゃなかった。


となると、やっぱり紗夜衣のことかな……?


教室に戻って、授業が再開した。

集中なんて、できるはずもなかった。