「……坂田菜由は覚えてる?」

「……坂田さんて、確か二年の時に転校してて……あまり覚えてないけど……」

「そう、菜由は覚えてるんだ。じゃ、奈来さんと会う半年くらい前に二人を見たこと、覚えてる?」


……半年前……?

半年前に何かあったっけ?


「……わからないの?」

「……あ。でも……え?」


小学二年の放課後、夕陽が眩しかった記憶が強く残ってる。


あたしはそれを見てしまったけれど、実際は逆行が強くて誰がいるのかは見えなかった。

でも、その普通じゃない雰囲気を見て、逃げた。


あの日は特別な日だったから、よく覚えてる。


「廊下でバッタリ、二人を見たはず」