「心配なことはなにもない。ただ、自分の気持ちに素直になって。ほかの誰でもない、歌乃自身の問題だから」
あたしの問題……。
確かに小夜といる時間は減るかもしれない。
むしろ家が隣でいつでも会ってるくらいなんだから、減る方があたりまえ。
でも、あたしが望めば、キサはきっと今までと変わりない毎日を続けてくれる。
そして、あたしの気持ちは……まだよくわかんない。
「小夜、ありがとう。でもあたし、まだ自分の気持ちがわからないから……」
「気持ちがわからないから付き合ってみるってのもアリだと思う」
「……うん」
あたしは、キサを好きになることが出来る?
わからない。