「……春……。
ほんとに、好きだよ……」


かすれた声に、夕日が当たった髪、少し冷たい手にギュッと握られながら、こんな甘い言葉を言われて……それでも、私たちは………。


「………せんちゃんのバカ……!!」


私は、バッとせんちゃんの手を振りほどいて、教室を走って出た。


いつのまにか流れている涙に気づいたのは、亜紀ちゃんにぶつかった時だった。


「春……!?
どうしたの!?」


私の涙と様子を見た亜紀ちゃんが、私を心配する。


「………っ………。

亜紀…ちゃん……。もう、私……耐えられない……!!」


そう小さく、それでいて重く呟いた時には、亜紀ちゃんの腕の中にいた。