あ、やばい。


目、潤んできた。


ぐっと下を見て涙を堪える。


お願い、泣かないで。


そう強く思っていると


「何してんの」


その声が聞こえて、パッと顔を上げる。


「せんちゃん…」


せんちゃんが壁にもたれかかり、イライラした様な目つきで先輩を睨む。


「す、鈴谷くん……」



先輩達は、一瞬顔が青ざめたが、パッと切り替わり、せんちゃんのもとへと駆け寄った。


「ちがうの、鈴谷くんっ…!
この女が、私たちの友達をいじめてて…それで、そんなことはやめてって言ってたの……!」



よく、そんな嘘がつける。


そんな嘘ついたって、意味ないよ。