「あ、えっと…はは」


そんな言葉しか出てこなくて、下を向いてしまう。


「春」


ふっと私の好きな声が私を呼んだ。



「髪、似合ってる」


キュンと胸がはねたのがわかった。


私の大好きな声…すなわちせんちゃんの声が、頭に残る。



一言、たった一言。


それだけなのに、私はドキドキして、宝物みたいにその言葉を丁寧に頭の中にしまい込む。