そう言った彼女の声は、震えていた。



傷つけた。



俺のせいで、こんなに優しくて可愛い千夏ちゃんのこと……。




千夏ちゃんは、俺といて何がいいのか。




こんな最低な俺なんかのどこがいいのか。




もう、俺なんかといるより、他のやつらといた方がいい気がして、俺は「別れよう」と言おうとした時



「ゆっくりでいいんです。いつか、ほんとにキスしたいと思った時に、してくださいね!」



と満面の笑みで言われて、俺は「別れよう」という言葉を飲みこんだ。