なぜ。


どうして。



今までなら出来たのに。



俺は、千夏ちゃんの顔から手を離した。



少し驚いたように千夏ちゃんが目を開き、俺を見つめた。



「……ごめん」



言葉が出てこなくて、こんなちっぽけな謝罪しかできない。



「……まだ、好きじゃないですものね」