そう思い、パッと手を引っ込める。千夏ちゃんは、俺のその姿を見て、少し黙った。



あまりにも、自分勝手過ぎたか…?



そう思ったが、千夏ちゃんはいつもの笑顔で「ほら!食べましょ!」と言ってくれた。



その笑顔が、少し作ってることなんて分かってる。



でも、もう少しだけ甘えさせてくれ。



こんな最低なやつでも、まだ千夏ちゃんが俺のことを好きなら…。




先のことをそっと考えて、また弁当に手を伸ばす。



夏が、すぐそこに近づいてきていた。