「今日の千莉先輩、少し嬉しそうだったから………」


そう言ってる千夏ちゃんの顔が引きつった。



「…ごめん」



そう言いながら、そっと千夏ちゃんの後頭部に手を伸ばしかけて……止めた。



前までの、女との関係なら、何かあってもキスでも何でもすれば、簡単に無かったことにできたのに………。



それくらい安い関係だったけど、今回は違う。



大事に、大事に………。



好きでもないのに、手を出すなんてダメだ。