~千莉side~


こんな話をこんなにも真剣に誰かにしたのは初めてだった。



特にする人もいなかったし、亜紀や太一には、言わずとも何となくわかっている様だったので、軽く話しただけで終わった。


何より、こんな話…


他人に軽々と言える話ではないし。



背中の傷に関しては、できるだけ春も知られたくないだろう。



そう思うと、千夏ちゃんにこの話をしたことを少し後悔した。


だが、言ってしまったものは仕方がない、そう思いながら千夏ちゃんを見た。