傷って……。



春に……?



「っ……」


ガタガタとイスが動く音が聞こえて、パッと物陰に隠れた。



扉から、おばさんと医者が出てきて、そのまま2人でどこかへと行ってしまう。



俺は、そっと病室の扉を開けて、中に入った。



「あ、せんちゃん!」



春の目が少し赤くなっていて、涙が少し溜まっていた。



嬉しそうな春の声も、何だか辛く見える。