そして、翌日の朝。


「...じゃあ、いってきます。蒼月ちゃん、
琉碧のこと、よろしくね。」



「はい。気をつけて、亜紀さん。
いってらっしゃい。」



「...いってきます!」



そして、母さんは出発した。




「行ったな...。...これからどうする?」



「...朝ごはん作るから、適当にしてて。」



...はいはい。




そして、待つこと30分。



「できた。これ、持っていってくれる?」



お味噌汁は、シンプルにわかめと豆腐のもの。
おかずは野菜炒め、ほうれん草のおひたし、卵焼き。

ご飯はお好みで、鮭フレークや昆布などなど。


これが30分クオリティか。すげえな。



「じゃあ、いただきます。」



「...どうぞ。」



パクッ...


「うまい。すげえな、星野。」



「...普段からやってるから、慣れたら簡単
だよ。」



「ふーん。あ、お前、今日どうする?」



「家で過ごそうと思ってるけど。どうしたの?」



「いや、別に。何でもない。」



「...そう。...ごちそうさまでした。
食器は流しに置いておいてね。」



「あぁ。」



...何やってんだ、俺。


あいつが男が苦手って分かってるのに、
一緒に過ごしたいと思ってる。




この感情は── 恋、なのだろうか。





...1度だけ、似たような感情が湧き上がってきた。


これも、そうなのか───。