~♪キーンコーンカーンコーン
あ、奏汰のこと忘れてた。...何も言わずに
出てきたから、怒ってるだろうな。
「俺、そろそろ帰るな。あ、さっきのは冗談
だから安心しろ。...1人で帰れるか?」
「...大丈夫です。ご心配どうも。」
「...じゃ、またな。」
俺が背を向け、スタスタと歩き始めたとき、
「...あ、の、今日は、本当に、ありがとう...」
と、か細い声ながらも言ってくれた。
俺は返事の代わりに、手をヒラヒラさせた。
(何か想像してたのと違ったな。)
強がりで、恥ずかしがりや。
他人が知らない一面を知れて、少し嬉しくなった。
その後、奏汰に根掘り葉掘り聞かれ、
声を荒げられたのは、言うまでもない。