「な、なにを...!」
触れられたところから、血の気が引いていく。
「もしかしてと思ってたけど、星野さん、
男が苦手なの?」
なんで、それを。と言いかけたが、それを
言ってしまうと、いけない気がした。
「...黙ってるってことは、肯定って意味でいいのかな?」
「...っ、違い...ます!早く離して下さい...!」
「...なら、なんでこんなに震えてるのかな?」
「震えてなんか...!離して...ください...!」
私はキッと睨み、必死に抵抗するが、男の人の力にかなうはずはない。
「わー、怖い。そんなに怒んないでよ。
2年にすごい可愛い子がいるって聞いてね。
でも、男の子と関わりがないとも聞いてたから、もしかしたらと思って試しにね。」
「その結果、このとおり。いやー、こんなに
上手くいくなんてね。」
「...それが分かったのなら、早く離してくれませんか?」
「ダメ。思ってたより星野さん可愛いし、
このまま俺のものにしちゃおうかな。」
「なっ...!やめてください!...っ、離して!」
震えが止まらず、立っているのもやっとに
なってきた。
怖い、怖い、怖い!...誰かっ、助けて...!
そのとき、誰かの声がした。
その声の主とは──。