放課後。


「蒼月、バイバイ。月曜日に同居の話、詳しく
聞かせてね。」



「うん。バイバイ、梨桜。」



(...よし、帰ろ。)



そう思って、下駄箱に向かったが...



「星野さん!」


名前も知らない男子に話しかけられた。

ネクタイの色が青だから、3年生だろう。


蘭花高校は、学年で色が分かれており、

3年が青、2年が赤、1年が緑となっている。


私は少し距離を取り、


「...何でしょうか?」


冷静を装い答えた。



「ちょっと話があるんだけど...いい?」



「...手短にお願いします。」



「それじゃ...遠慮なくっ!」



「!?」



距離を詰められて腕をつかまれ、死角に
なるところの壁に手を縫い付けられてしまった。