ガラガラガラー


教室の扉が開いて、教師が入る。


その瞬間、静まる教室。



「えー、今日はお前らに転校生を紹介する。入れ。」



転校生のワードに、ざわつく教室。


どこも同じだ。


私は、静かにその空間に足を踏み入れる。



「徳島みのりです...」

「みんな、仲良くしてやってくれ。」



担任の先生はそう言うと、私に用意された席を指差す。


私は、何も言わずそこに着席した。



「何か地味じゃない?」

「てか、陰気?」



ひざ下のスカートに、整えられたリボン。少し長い前髪で隠れる目。


何よりもその出で立ちに、女子に対する私の第一印象は最悪だった。


わざと暗いイメージをもたせて、自分から人を遠ざけて、関わらないようにする。


いつからか、それが私のスタイルになっていた。