いつも通りの日だった。
学校帰り私はいつも通りあそこへと歩く。
ゆうな「お疲れ〜!また明日ね〜!」
私「うん、またね!」
私の唯一の友達のゆうなは電車通学のため帰りは別だ。
今日も私は一人で歩く。
あの地獄の職場へと。




店長「ほら、チワワちゃん!早く早く!遅いぞ、客またしちゃあかんからな!」
私「すいません、すぐ支度します。」
本当は・・・私だって・・・
店長「おい!なにぼーっとしてんだ!早くしろ!」
私「すいません!」
店長「ったく。No.1じゃなかったらあんな子クビだわ・・・」
ぼそっと呟いた店長の声は私には届いてなかった。



私「いらっしゃいませ♡」
客A「チワワちゃん!遅いよ〜会いに来ちゃった!♡」
私「いつもありがとぉ♡会いたかった!」
客A「いや〜、嬉しいね!ほら。これ。」
私がお客さんからもらったのは1万円札が5枚。
私「いつもありがと♡ちゅ」


私は知らない人にキスをした。
知らない人に自分の体を平気でよせる。
もう慣れたからなんとも思わない。
もうどうだっていいんだそんなことは。
お金が入ればいいんだそれで。
生きていくにはこれしかないんだ。
ちょっと触らせてやれば男共は酒を追加するし、サービスしてやればたくさん金がはいるんだ。それの何が悪い。
それで・・・いいんだよ。


ここは、キャバクラだ。
そして私はここPIECEMark(ピースマーク)のNo.1のチワワ。
昼間は光が丘高等学校、3年A組の五十嵐明日香だ。
こうして私はいつも同じような日々を過ごしていて、この時は自分の体が自分じゃないような感覚だった。




ゆうな「おはよ、明日香〜!」
あすか「おはよう。」
ゆうな「ねぇ、聞いて!さっきね、職員室行ったらめっっっちゃくちゃイケメンがねいたの!やっばかった!」
あすか「へぇ〜そうなんだ〜、誰かな〜?」
・・・別に興味なんかないけど・・・。
ゆうな「なんかね!転校生だって!この時期にだよ?珍しいよね〜♡」
あすか「うん」



その日、あいつが来た。
そう。この出会いが、私を救ったあいつとの出会い。