「あら、いらっしゃい」 若葉がいなくなってから2日後、私は優子さんに「渡したいものがある」と言われ、久しぶりに若葉の家に来ていた。 「どうぞ」 「お邪魔します」 優子さんに付いていき、リビングにあるソファに座る。 「……琴ちゃん」 「優子さん、私の名前……」 優子さんは、私の名前を間違えて覚えてしまって、前まで“オトハちゃん”と呼んでいたはず。