年也「事件名、横浜中区男性殺害事件」年也「胸を刺されたことによる出血死、腹も刺されていたのか」年也「オレの2ヶ所のアザって」通晴「まさか…」年也「大林は現金7万円を奪って逃走、5日後に指名手配中のところを出頭したのか」通晴「その大林って今?」年也「横浜地裁は死刑、東京高裁で無期になってる、1963年に知人女性を殺害して服役してるのか?」美佐恵「再犯してる」通晴「通算2人殺害だな…最初の事件もトラブルから殺害して、現金を盗んでるから、強盗殺人には法的にはなってないから有期刑の15年の判決だけど、分からないしな、2件目の事件は強盗殺人になってるし」通晴「永山基準の死刑適用の条件を満たしているのに無期になってるのがイマイチはっきりしない」年也「1983年に最高裁で無期が確定してる」通晴「永山判決の直前か…」年也「阿部祐太郎に兄妹って…」ネットでは分からなかった、翌日、マネージャーやスタッフたちは録画しておいた横浜アリーナでのコンサートのビデオを見ていた、渋川が何かに気づいた、二宮「どうした、幽霊でも映ってたか?」渋川「違うよ<emj:158>そんなんじゃない」渋川「年也…すごいな」二宮「え…」しばらくして他のスタッフたちも気づいた、二宮「マジかよ<emj:158>あり得ない」中村「サーカスの綱渡りみたいな芸当だな」坂下「全部で同じ曲は5回歌っているけど、歌唱時間は全て同じ4分30秒か…」渋川「それだけじゃない」坂下「サビひとつひとつズレが無い」渋川「その通り」中村「冗談だろ<emj:158>そんなことできるやつ、いるわけないだろ、信じたくないけど現実だしな」森崎「もはや、センスがあるとか、そんな次元の範疇を越えてるな、若山は何かが、違うんじゃないか…」中村「拓也…」森崎「同じステージで演奏やってりゃあ…若山のスゴさが直に分かるんだよ<emj:160>」森崎「若山が演奏するとき、常識なんぞどっかに吹っ飛んで行く」渋川「若山…」翌日、年也が事務所へ、森崎「トシ」年也「森崎さん…」森崎「オレさ、20年前かな、渋川と歌手になろうと頑張ったんだけどな、失敗したよ<emj:160>才能のカタマリだって騒がれたんだよ、でもダメだった、だからお前はスゴい、歌手に才能なんて必要ない、すでにオレも渋川も抜かれたんだな」年也「いや…森崎さんのギターがあるおかげでオレは」森崎「謙遜するな…って」森崎「レースでいえば、序盤から中盤で引き離しながらも、食らいつかれて、ゴール手前で鮮やかに抜かれる、そんな感じなんだ」年也「森崎さん」