追いかけようか、迷った。

誰かと約束していて、

ごめん、待ってる人がいるからまた今度。

なんて言われたら。

いや、べつに傷つきはしないけど、じゃあこの衝動はどうしよう。

なんて、たぶん一瞬のうちにいろんなことを考えて、それで、決意していた。

「ちょっとごめん。行かなきゃいけなかった」

さとことみわには適当なことを言った。

手にはしっかりお弁当を持っていたが、二人とも「わかったー」と言って気持ちよく送り出してくれた。