今日は県立受験の発表日
私立受験をしてない私は、これで高校生になれるか決まっちゃうわけで…
「ほらゆう~、早く行くよ??」
「え、ちょっと美愛!?いやだってば~!!」
高校の正門前で怖気付いていた私を引っ張る。
最初は嫌だったけど…周りの視線が痛くて向かうことにした。
209…209……
あっ!
「美愛!あっ…「あった!211!!」
私の声は隣の男子にかき消された。
小柄な体格には想像できない大きな声に…
しかも大声出したとき、振り上げた腕、頭に当たったんですけど…
謝んないとか…
「うっさいよ怜…」
「だって嬉しくてさ~」
何この男子…
うるさすぎ!!
ってこんな怒ってる場合じゃないっ!
美愛に早く言いに行かなきゃ!
歩き出そうとしたとき、髪が引っ張られた。
痛っ…
え、なにこれ…
隣にいたうるさい男子のボタンに私の髪が絡まっている。
「え…あっ、ごめん!」
その男子は明らかにさっきとは打って変わって動揺し、必死に髪を外そうとしてる。
…痛いし…、本当に最悪…
ブチッ…
鈍い音が響く。
「え…!?」
驚くのも無理ないよね。
自分の髪引きちぎったんだもん…
私は軽く相手を睨んで走り出す。
「悪いことしちゃったな…」
そんなことを言われてるとも知らずに…
運命の日まで、あと1か月…