やっと数学の授業が終ったと思ったら、放課後残って反省文を書かされるはめになるとは…。
「はぁぁぁ~」
深いため息をつき、机に倒れ込む。
「梨於がいけないんだよ?」
少し心配そうに見てくる親友の有里(ユリ)。
「分かってます。深く反省しております。」
毎回数学の時間に寝てしまうこの癖は今になっても直らない。
そのため数学の成績はズタズタ。
親に怒られるのは今じゃ当たり前のことになっている。
「まぁ…無理もないか。」
「え?」
「バイト夜遅くまでやってるんでしょ?」
「あー…まぁそうだね。」
最近、私はバイトをし始めた。
親には中学校の頃たくさん迷惑をかけ、私ばかりにお金を費やしてくれた。
それに小さい頃からお母さんは体が弱くて寝ていることが多い。
そのため、お父さんは休まずお母さんの分まで私たちの家庭を守るため、働いてくれている。
だから、私もできる限りのことをして毎月2万は親に払っている。
だけど、最近バイトが忙しくて毎日シフトを頼まれる。
だから、寝る時間も少しずつ無くなり授業中に寝ることが多くなっている。
「あまり無理したら体に悪いんじゃない?」
「ううん、私がバイトやめたらお父さんもっと大変になっちゃうよ。」
いつもこうやって心配してくれる有里には本当に感謝している。