「そう。でも、見つからないだろうな」
「どうだろ。今日部活に行ったら、他のやつらにもさりげなく聞いといてやるよ」
高崎くんが笑ってそう言ってくれたから、少しほっとした。
「それより早瀬さんは、翠都の誤解を解かないと。何で奈緒ちゃんは、早瀬さんにわざとプールに突き飛ばされたなんて言ったんだろうな。それに翠都も、何で早瀬さんの話をちゃんと聞かなかったんだろ。あいつ、人の話も聞かずに一方的に責めるようなやつじゃないのに」
「わかんない。佐野くんにとって町村さんは幼なじみだから、特別なのかも」
自分で言っておいて、内心ではあたしがその言葉に一番傷ついてしまう。
あたしは肩を竦めると、小さくため息を吐いた。